トルクレンチというのは工具であり、また、測定器具です。ですので、ボルトが締まればよいというような使い方は正しくなく、規定のトルクになるところでボルトの締め付けが完了しなくてはなりません。
基本的には、トルクレンチの目盛りでトルク値を設定し(プリセット)、トルクレンチを締め付け方向に動かしてカチッと音がした時点で締め付けを完了します。
力を入れればもっと締め付けることができますが、これ以上はオーバートルクになり、ボルトやナットの破損の恐れがあります。
あと、トルクレンチが”動いている状態”でトルクの計測をしなければならないことに注意して下さい。
それは、ボルトの回転が止まっているときと動いているときでは、静摩擦係数と動摩擦係数の違いから、測定値が異なるからです。
つまり、静摩擦係数>動摩擦係数であることから、ボルトが止まっているときの方が測定値が大きくなります。
ですので、ボルトの回転が止まっている状態でトルクを測定すると、規定のトルクに達せずに締め付けを終えてしまうことになります。
やや勢いをつけてトルクレンチを動かしボルトを回し、カチッと音がしたら、すぐに力を抜くようにすることがコツです。
一回で回転できないようでしたら、最初のうちは数回に分けてトルクをかけ、最後は止めずにカチッ音がするまでもっていくようにして下さい。
なお、このようにボルトを回転させながらトルクを測定しますから、一度締めたボルトのトルク測定のためにトルクレンチを使用するというのは間違った使い方となります。
また、トルクレンチは、ボルトを緩めることには使わないようにして下さい。
あと、使用後はプリセットを開放しましょう。衝撃にも要注意です。
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